株式会社オフィス・サンタはコミュニケーションをデザインします

質問一覧
どうして社員研修で「演劇」なんでしょうか?
A. 研修に「演劇」を導入するということに違和感を覚えられるのは無理のないことだと思います。なぜなら日本では「演劇教育」が定着しておらず、「演劇」のイメージはそのまま「芸能」に結びついてしまうからです。しかし、演劇は芸能の一分野を構成する豊かなエンターテインメントではありますが、本質はそこにあるのではありません。
演劇の本質は「関係性」にあります。
人間と人間がどのように関係を結び、あるいは壊し、なぜズレていくのか。それを表現するのが演劇であり、その意味で演劇は「関係性の芸術」なのです。欧米で「演劇教育」がコミュニケーション能力を育成するための必須科目になっているのも、そのような理由からです。欧米の総合大学には必ず演劇科が設置されていますが、それは言語や文化、宗教、生活習慣などが異なる人たちの間のコミュニケーションをデザインしていくときに、演劇が大きな力を発揮することを彼らがよく知っているからなのです。
たとえば、私たちは小さな頃によく「おままごと」をして遊びましたが、「おままごと」は原初的な意味での演劇そのものです。私たちは「おままごと」を通じて対人関係を学び、家族やご近所の人間関係をシミュレーションすることで社会における「役割」を理解していったのです。
つまり、演劇は対人関係を学ぶための最も有効な装置であり、コミュニケーション能力を磨くための最良の教育だということなのです。
素人がすぐに演技できるとは思えないのですが……。
A. まったく心配することはありません。試しに、あなたの日常生活を振り返ってみてください。私たちは普段の生活のなかで、話す相手によって言葉遣いや態度を変えています。気の置けない友人との会話と上司との会話では言葉遣いも態度も違いますし、それがお客様だったり、あるいは連れ合いの両親だったりすればもっと違うでしょう。つまり、私たちは普段の生活のなかで、常に演技をしているわけです。
私たちが展開する演劇ワークショップ研修で求められている「演技」とは、そのような日常的な仕草そのものです。
さらに、現在の若者たちは「演ずる」ことに対して驚くほどに抵抗がありません。
それはTVのバラエティ番組やコントの影響もあるのかもしれませんが、なまじプロの俳優教育を受けた人たちよりも、演技に対する先入観がない分だけずっとナチュラルに本質的な演技をすることができるのです。案ずるには及びません。
演劇ワークショップは、どんな研修に向いていますか?
A. 誇張に聞こえるのを承知で言えば、あらゆる研修に有効です。
企業においては「内定者研修」から「新入社員研修」「若手社員研修」「営業職研修」「専門職研修」「トレーナー研修」「管理職研修」、そして大学などの教育機関においては「就職活動研修」から「コミュニケーション研修」まで、ありとあらゆる研修に対応可能なのが「演劇ワークショップ研修」の最大の特徴です。なぜなら、シチュエーションを自由に設定できるのが演劇という表現芸術の特徴だからです。
本研修の監修者である平田オリザ氏の提唱する「現代口語演劇」は、世界の現在をリアルに捉えてみせる表現形式です。その考え方を研修に活用することによって、私たちは自分自身でも気づいていなかった自身の日常生活における言動や思考方法を振り返り、分析することが可能になります。しかも、この研修は体感型研修ですから、そうしたことを理屈や頭で理解するのではなく、自分の実体験として獲得していくことができるのです。
「演劇」という言葉だけにとらわれず、「体感型研修」としての「ワークショップ」を楽しんでください。
採用選考も可能だと聞いたのですが……。
A. 可能です。その際の進め方は以下のようなものです。
応募者を6〜8人のグループに分け、テーマを与えます。そのテーマに基づいて30分程度で演劇を作ってもらい、それを5分間で上演してもらいます。審査員はその創作過程を見ることで、応募学生を選考していきます。
一つの会場で5〜6グループが同時進行できますので、30分の創作会議+各グループ5分の上演とすると、1時間程で30名前後の応募学生に対応できます。
採点の基準は難しくはありません。というか、「演劇ワークショップ選考」にマニュアル的な採点基準はないのです。それは、創作会議の様子を観察していれば面白いほどに「欲しい学生」が見えてくるからです。
会議のリーダー役を買って出る者、面白いアイデアを出せる者、自分からは発言できない者、リーダー役は引き受けたもののグループ全体をまとめられない者、リーダー役にはならなかったもののグループの総意を上手にまとめていく者など、応募学生の素顔と能力が面白いほど浮き彫りになってきます。
ただし、「演劇ワークショップ選考」は応募者一人ひとりを採点して優劣を決定する性格のものではありませんから、採用側に明確な「求める人材像」がなければ有効ではありません。
逆に言えば、採用側に明確な「求める人材像」がありさえすれば、演劇ワークショップ選考は見事な威力を発揮します。
実際に神奈川県では、平田オリザ氏の指導の下、2つの高校で「演劇ワークショップ入試」が採り入れられています。
内定者研修について教えてください。
A.
内定者研修の場合、目的によって2つの方法があります。
| 1. | 内定者のコミュニケーション能力に磨きをかける研修 |
| 2. | 内定者の素顔と能力、適性を見極め、配属現場のマッチングに応用する研修 |
1の研修の中核は、「コミュニケーション能力とは具体的にどんな能力を指すのか?」を明確にするということです。結論から先に言えば、コミュニケーション能力とは自分のプライオリティを的確に決定し、かつ相手のプライオリティを理解しながら、そのすり合わせができる能力のことです。演劇ワークショップを経験すれば、実感としてそれを理解することができます。時間が限られた演劇創作の現場では、常に自らのプライオリティの決定スキルと相手のプライオリティに思いを馳せる能力が問われるからです。
後者の場合には、「演劇ワークショップ選考」と同じ方法論が応用できます。入社後に起きるミスマッチというのは、ほとんどの場合が「企業とのミスマッチ」ではなく、配属現場における上司との相性の問題です。演劇ワークショップを通じて内定者の素顔と能力、適性を的確に見抜き、配属現場の上司や先輩との相性を考慮していくことこそ、入社後の早期退職を防止する最大のポイントです。
すでに内定者研修で演劇ワークショップを経験している新入社員にも、同じ研修が有効ですか?
A. 演劇ワークショップはシチュエーションの設定が自由自在です。ですから、何回経験しても常に新鮮に取り組むことができます。仮に同じシチュエーションが設定されていたとしても、創作の条件を変えるだけでまったく違う研修に変化するのが演劇ワークショップの特徴です。
たとえば、「職場に新しい仲間が入ってくる」というシチュエーションを設定したとします。その際、一方には「その新しい仲間のプロフィールは受講者の間で創作する」という条件を与えれば、その研修はアイデアと発想力に重きを置く研修となり、一方には「あらかじめその新しい仲間の詳細なプロフィールを渡す」ということにすれば、その研修は読解力と想像力に重きを置いた研修になります。
この場合、一方を体験するだけでも極めて得難い体験をすることができますが、両方の研修を受講し、同じシチュエーションのワークショップでも、条件次第でまったく異なる研修に変化するということを経験することで、実社会におけるコミュニケーションの複雑さや困難さ、また面白さを実感することができます。
新入社員を受け入れるトレーナーを育てたいのですが……。
A. 新入社員を受け入れるトレーナーは、いわば外国人留学生のホームステイを受け入れるホストファミリーのようなものです。ホームステイ受け入れで気を付けるべきポイントを、「国際交流ひよこサロン」より抜粋引用してみます。
| 1. | 過度な期待はしない |
| 2. | 不自由を我慢しない (我慢していることに気づく人はほとんどいないから) |
| 3. | 思い込みは捨て、相手のやってほしいことをよく聞く |
| 4. | お客様扱いはしない。やってほしいことは最初に言う (言わなくても察してくれる外国人はほとんどいないから) |
| 5. | 改めてほしいことは理由を説明しながら、感情的にならずにポイントを絞って簡潔に伝える。どんなに相手が若くても「大人」として扱う |
| 6. | 日本文化に興味を持たせたければ、事前に予備知識を与えて、少しずつ好奇心を刺激しておく |
| 7. | 外国人には、とりあえず謝ることによって相手の気持ちをやわらげる、という習慣はない。謝らせたければ、その理由を説明し、日本の習慣を教える |
| 8. | 外国人がお礼を言わないのは、「察する」習慣のない人が多いから。その場合も、きちんと理由を説明し、日本の習慣を教えることが大切 |
上記の心得の「外国人」を「新入社員」に、「日本文化」を「企業文化」に置き換えれば、それはそのまま新入社員と接するときの心得になります。現在の「ゆとり教育世代との交流」は、私たちにとって「異文化交流」そのものなのです。
こうした「異文化交流」のシミュレーションは、演劇ワークショップの最も得意とするところです。
営業研修は、どんなものになりますか?
A. 素人の演ずる芝居が面白くないのは、表現のポイントを心得ていないからです。演劇表現には、長い伝統によって作り上げられた演技術が蓄積されています。
それはたとえば、大事な台詞を言う前には一呼吸間を空ける。聞かせたい台詞は大きな声で言わない。相手の気持ちに同調したいときには、相手の呼吸にリズムを合わせる。相手の話に乗りたくないときには、呼吸のリズムを同調させない。相手を驚かせたいときは、相手の呼吸のリズムが自分に合ってきたときを狙ってそれを外す。相手の気持ちを自分に集中させたいときは、間を空ける、等々の技術です。
こうした演技テクニックは、そのままプレゼンテーションや営業トークに活かせます。
一度演劇を創作してもらった上で、改善すべきポイントを指導し、再構築してもらう。要するに、演出家がいないお芝居に、的確な演出をつけ加えるわけです。そのようにして再構築したお芝居は、驚くほどに面白くなります。
人間関係を自在に操るテクニックを覚えられる。しかもそれが身体的記憶として取り込まれていくところに、演劇ワークショップの面白さがあります。
演技することに抵抗感の強い管理職世代でも受講は可能ですか?
A. 歳をとるほど、責任ある立場に立つほど演ずることに抵抗感が出てくるのは、守るべきものが増え、それを壊さないために防御の殻を厚くしているからです。それが社内の人間関係を硬直したものにしている原因なのですが、生真面目な人ほどそのことに気がついていません。
演劇ワークショップの狙いは、「上手に演ずること」にあるのではありません。なぜ相手役との関係がうまくとれないのか。どうしてギクシャクとした演技しかできないのか。それを考え、自分の持っている殻の厚さ、大きさに気づくこともまた、演劇ワークショップの重要なポイントの一つなのです。
それに気づくためには、価値観の違う異世代と一緒に参加する演劇ワークショップが有効です。職場の人間関係を離れ、価値観の異なる異世代と一緒に、一つのテーマを追求していく。その過程で、自分と相手の価値観の差、自分の柔軟性の欠如、自分の与える影響力の大きさなどが見えてきます。その場合、社内の若手社員と一緒に受講するのも有効ですが、難しい場合はプロの若手俳優にそれを代替させることも可能です。
また、そこまで本質的な気づきを追求しない演劇ワークショップも可能です。演劇ワークショップは、利害関係の対立している相手との交渉やネゴシエーションのようなシチュエーションも自在に設定できるからです。
演劇ワークショップの特徴と魅力は、受講対象者を限定しないところにもあるのです。
研修時間と人数について教えてください。
A. 最低研修時間は3時間、それより長いものであれば、半日研修、1日研修、2日、3日研修といくらでも時間をかけることができます。研修時間が長ければ長いほど、より本質的な研修を行うことができます。1日の間にそんなに長い時間をとれないという場合は、3時間研修を数日にわたって設定することもできます。毎日3時間ずつ3日間とか、毎週月曜日に3時間ずつというような研修も可能です。 受講人数は最低で10名ぐらいから行うことができますが、人数が少ないとなかなか受講者の緊張がほぐれません。20名から30名あたりが理想的な人数だと思います。 30名以上の研修も可能ですが、その場合は体感型ではなく、ステージ上でプロの俳優が見本演技を見せる形で進行していくセミナー型研修になります。
